日本と同じくイギリスでも栗は拾えますし食べられます。日本の栗と比べてイガイガしたとげが短いのですが、味も含め栗は栗です。日本で栗拾いをすると虫に食われていて不味くて食べられないものが少なくないですが、イギリスはとにかく虫がいないので、ほとんどおいしく食べられます。

ただしイギリスでの栗拾いは戦いです。早朝にライバルたちが現れます、そうですリスです。
強敵と書いて「戦友(とも)」と読むのは古今東西同じですが、彼らはまさしく戦友です。

彼らは勤勉で、日が出ると同時に臨戦態勢に入ります。日が出ると同時にこちらも動き出さないと、昼過ぎには全ての栗の中身がほじくられています。

そのほかにも厄介なのが彼らの人海戦術です。イギリスには日本のスズメくらいのノリでリスがそのへんをうろついています。日の出と同時に彼らと競い始めて一箇所で拾っていても、彼らは他の場所で一心不乱に栗をほじくって食べてます。人間側が出来る対策はスピード・アンド・パワーです。彼らに全ての栗をほじくられる前に、痛みに耐えて、こちらも力でどんどんイガから栗の中身を取り出していかないといけません。

そういった日々を一週間は繰り返すことになると思いますが、毎朝栗を拾えばきっと相当な量の栗を手に入れられると思います。その後は蒸すなりゆでるなりして、中身を出して、干したり冷凍しておけばずっと食べられます。今でもリスを見るたびに共に栗を取り合った日々を思い出します。

完全自給自足生活をイギリスですると、主食にとても困るので、栗はとても頼りになります。
そして極めて重要なのが、栗はたんぱく質を含んでいるということです。自給自足生活をしていると、たんぱく質が不足して、異様に肉が食べたくなります。見る動物全てが食べ物にしか考えられないくらいたんぱく質が不足するのですが、栗は貴重なたんぱく質を摂取できる食べ物なので、冗談抜きに必須です。