辞書のような分厚さで重要どころだけではなく、日本ではそこまで知られていない作品や著者についても紹介されています。

恐るべきは第三部「重要作品」で、フランス文学史のなかの重要な作品のストーリーがそれぞれ一ページで紹介されています。これでもか、というくらいネタバレ全開なので重要人物の死や結末など全て明かされます。その結果軽くこの本を読むだけで、フランス文学を読み尽くした知識人ぶることが可能になるという奇跡がおきます。

とにかく多種多様な作品が綺麗に、コンパクトにまとめられて紹介されているので何を読むか迷っていたり、何か文学的なテーマや研究対象を探している時にも便利です。また文学は時代を超えて関連しあっているものなので、それらの呼応関係や影響を見る事、大きな潮流を鳥瞰する事が可能になります。