言語学者が選ぶ最強の語学書集(+語学学習法とか研究とか統計とか)

これまで数百冊の語学参考書を買ってきたので、特にお勧めできるものを言語学者の観点からご紹介。 語学書を活用する為の効率的な学習法や言語学の話題も。

    2016年11月

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    無料のオンライン添削サービスは色々ありますが、その中で最も評判が良いのがこのGrammalyです。
    色々な賞をとったり、評価サイトなどで高得点をたたき出しています。最近はyoutubeなんかでも広告でよく出てくるサービスで、ネイティヴの英語話者も使っています。

    どれだけ英作文をやっても、三人称現在形の動詞のsを忘れてしまったり、ちょっとしたケアレスミスがあります。そういったものに関してはかなりの精度で探し出してくれます。

    日本人にとってありがたいのは、まず冠詞でしょう。多くの英語の試験、TOEFL,IELTS,やケンブリッジ英検では、冠詞についての点数の増減は基本的にありません。冠詞が母語で使われるかどうかで、冠詞の使用難易度が大きく異なるので、一般的にこういった試験の採点基準から外されてます。

    ただ、ある程度英語が書けるようになってくると、上を目指したくなってきますし、大学院入試のための論文や学術誌に投稿する場合は、冠詞も含め英文のレベルが高いほうがもちろん良いです。

    このサービスの冠詞の添削の精度もかなり高く、aかtheかどちらかだろうというような形で正解を示唆してくれます。すでに出てきている話題や単語ならtheをつかって初めてならaにすれば良いので、そういった場合の判断もわりと楽です。

    それ以外にも助かるのは複数形にするべきところが複数形になっていなかったり、コンマの位置がおかしかったりする場合でしょうか。

    海外のレビューサイトだと、なかなか好評ではありますが、複雑な英文やイギリス英語にしかないような用法などには対応できてないという記事や、添削したもののうち本当に間違いと言えるのは8割程度というような記事もあります。このサービスを利用する際には自分でもその添削が正しいかどうか、きちんと考える必要がありますね。

    ほかに問題と言えるようなものはあまりありませんが、有料版へのアップグレードを勧めてくるメールがちょっと多いです。設定でそういったメールが来ないようにもできるので、設定で変えましょう。有料版にするためには毎月もしくは毎年だったり、定期的にお金を払って使用するというやり方になっています。

    一ヶ月あたり40ドル弱、一年プランで180ドル弱と、なかなか商売上手な値段設定です。一ヶ月プランだと毎月4000円くらいですね。友人を招待することで少し無料で有料版が使えますが、迷惑メール扱いになったり、迷惑メールフォルダにすら入らないこともあります。それと招待してもブラウザがfirefoxだったりするとクラッシュしてしまったりでうまく使えず、しかも有料版が使えなかったり色々問題があります。ブラウザは私の環境ではchromeが一番安定してGrammarlyが使えます。

    ちょっと割高な気もしますが、しょっちゅう40%オフキャンペーンなどやっていますし、クーポンコードで40%オフのものがたくさんそのへんに転がってます。Grammarly coupon codeなどで検索すると色々でてきますし、問題なく使えそうです。私はキャンペーンの時に40%オフで一年購入しました。

    TOEFLでも自動採点システムがライティングで導入されていますが、おそらくこういったサービスが見つけるミスと同じくらいの精度だと思われます。言語学をやっている立場から見ても、これくらいが自動添削の限度で、意味にかかわるような事に自動添削はそうそうできないでしょうし、TOEFLの採点システムもそのへんは色々ごまかしてやってるはずです。英作文中の英単語を出来る限り多様にして、文法構造も色々なものをちりばめて、このGrammarlyでミスが見つけられないというような解答にすれば、どんな英語の試験でも、外国人向けのもの、つまりGREなどを除くと、ほとんど満点がとれます。

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    統計的な手法を用いなければジャーナルだけではなく、学会でも勝負できないような分野が増えています。言語学も欧米ではどんどん必須といっていいレベルになってきていて、なんとか統計を学ばなくてはいけないという状況です。

    言語学者には幸いにも"Statistics for Linguistics with R"というとても優れた本があるので、とりあえずこれを読めばたいていの言語学の分野である程度なんとかなるというのが実情でもあります。ただ、あくまでもなんとかなるという程度で、痒いところに手が届かないことが少なくありません。

    そこで頼りになるのが、STHDAというサイトです。
    リンクはこちら

    日本語で統計のことを調べても、かなり難しく書かれていてわかり辛いことが多く、むしろ英語でこういったサイトを参考にするほうがよいです。One-Way ANOVAをどういう時につかうと良いのか、t testをRでどうすれば実行できるのか、などなど、実用的な情報が非常にわかりやすく、見やすく、実例つきで載っています。

    おそらくはフランス語母語話者が書いている文章なので、英語もシンプルでわかりやすく、英語が苦手でも、下手に日本語の本やサイトで統計のことを調べるよりもわかりやすいです。

    言語学をやる人であれば上記の本と、このサイトだけでほとんどなんとかなります。グーグルで検索するより、このサイト内で検索したほうが手っ取り早いくらいです。

    言語学以外の分野では、その分野の人のために書かれた統計学の本や、サイトを探して、尚且つこちらのSTHDAを参考にすると良いでしょう。

     

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    今の時代、ジャーナルで書くときの英文の構造というのは型が決まっていて、そこに内容をあてはめていけば論文を書けてしまいます。ある意味では英語力というものよりも、英語のテンプレート力みたいなものが求められているとも言えます。

    そんななかで参考になるのがこちらのサイト、Academic Phrasebankです。マンチェスター大学が提供しているサービスで、多くの研究者向けの書籍に掲載されているような例文集を無料で公開しています。しかも量がそういった書籍の例文を上回ります。

    科学論文のためのテンプレではありますが、さまざまな分野のジャーナルにそのまま使えます。

    どんなジャンルでも使える普遍的な、広く浅いフレーズばかりで、少し込み入ったことや専門とする分野でしか出てこないような表現をしたいときに使える表現はここには無いはずです。

    Academic Phrasebankである程度の体裁をととのえつつ、あとは自分の専門分野で使えるようなテンプレを、著名なジャーナルの同じ分野で尚且つネイティブが書いている論文から作り出してしまうのが個人的には一番良い手段だと思います。

    英語でジャーナルのために論文を書くのはスタイルの違いや、文法上のルールなど、色々な関門があるのですが上記の手法でたいていなんとかなります。

    ジャーナルに掲載されるための英語というのはある種のルールがあって、その暗黙のルールに気づいて、従うことができるかどうかが全てです。そのための第一歩となる大きなフレームをこのサイトで作り上げ、中くらいのフレームを自分の参考文献のなかから抜き取って、最後に肉付けしたら完成です。

    TOEFLやIELTSなどの試験対策ではややこしい構文や難しい単語をちりばめることで高得点がとれますが、そういったルールと全く違うルールに気づいていきたいですね。

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    TOEICはアメリカで作られている英語のテストなので、アメリカ人が作った参考書はアジアで作られたものより優れているだろう・・・という考えをもつ方も多いかもしれませんが、実際は良著がほとんどありません。

    公式の問題集をアメリカのアマゾンで探しても日本語や中国語のオフィシャル本くらいしかでてきません。問題集で一番大切なのは、実際の試験に近いレベル、構成であることなので、公式が一番よいのですが、アメリカで作られた試験であるにも関わらず、英語版の公式問題集がありません。

    洋書でTOEICに関するものはそれでも一定数出版されていて、さまざまなものがあるのですが、品質がアジアのものより劣ることが多いです。実際の問題より簡単だったり、そもそもTOEICに関係ないような話題が多く書かれていたり。日本語で書かれたTOEIC本でもそういったものが少なくないので注意が必要です。

    そこでこのBarron'sのSuperpackが目立ちます。このパックに含まれる3冊の本は他の洋書のTOEIC対策本よりもはるかに優れています。

    実際のTOEICの問題と同じ難易度かどうかというと、少し簡単といえるかもしれませんが、他の面ではとても良い問題集です。まずはコストパフォーマンスが良く、値段のわりに分厚く余計な情報がほとんどないので、黙々と大量の問題をこなせます。

    TOEICで重要なのは大量の良質の問題の繰り返し、特に出来なかった問題のみを重点的に繰り返していくことなのですが、その大量の問題というのがなかなか見つかりません。公式の問題集も古いものは今のものといろいろ異なるので、今現在は特に困ります。逆にこのパックには大量の問題があるので、「自分にとって難しくて答えられなかった問題を何度も大量に繰り返す」という勉強法を実行しやすくなります。

    Barron's TOEICは600ページ近くありますし、Barron's TOEIC Practice Exams は400ページ、Barron's Essential Words for the TOEICも約400ページです。

    Barron's Essential Words for the TOEICは名前だけ見ると単語集のようですが、問題集です。単語に関するキーとなる情報が挿入されていますが、リスニングも含めかなりの数の問題が収録されています。むしろBaroon's GREに収録されているような、頻出単語リストのようなものが無いので、単語集としてはあまりよくありません。

    公式の問題集、特にそのリスニング問題、文法問題の参考書「新TOEICテスト 文法問題 でる1000問」そしてこのBarron's TOEIC Superpackの問題をどんどんこなして繰り返せば900点超えを狙えます。リスニング問題をお勧めしているのは、リスニング対策をすれば自動的にリーディング対策になる一方で、リーディング対策をやってばかりいてもリスニング対策にならないからです。膨大な問題を繰り返すのは時間がかかりますし、常に時間効率は考えたほうがいいので、実際の試験の結果に応じて、リーディングの点数が明らかに低いということがなければ、リスニングに重点をおいてこれらの問題を繰り返していけば良い点数がとれます。

    洋書ですし、大学受験の参考書をきちんとこなしてから購入することをお勧めします。Duo3.0やドラゴンイングリッシュ、新・基本英文700選などを読んで大学受験レベルの単語と構文を理解してから挑戦してみてください。

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    単語を覚えるうえで一番効率的なのはカードを使うことです。単語帳の単語を、シートで隠したりしながらみて覚えていくよりはるかに効率的です。

    理由としては二つあって、まず一つはカードだと覚えた単語と覚えてない単語を管理できることです。覚えた単語のカードをどこか別のところに保管しておいて、覚えてないカードのみを音読したり読んだりしていけば、既に知っている単語を目にする時間が無くなり、時間を節約でき、そのぶん効率的に覚えられます。また、最近覚えたけどしっかり覚えたわけではないというカード群を、きちんと覚えたカードを入れている箱とは別の箱にいれておいてマメにチェックするとほとんどの単語カードを最終的には覚えられます。100%すべてのカードを覚えようとしてもどうしてもいくつかのカードは覚えられないので、それらに時間を割かず、そのぶん読解対策やリスニング対策をすべきですが。

    二つ目のカード学習のメリットは、単語の順番をシャッフルできることです。たいしたこと無いように思われるかもしれませんが、単語帳で覚えていくと、掲載されている前後の単語が何かといった、単語とは直接関係が無い本に固有の情報と関連付けて覚えてしまったりします。

    例えば

    conquerの次に掲載されている単語だから、このconstantの意味は「一定の」だったな。

    なんて感じで無意識に前後の順番で単語を覚えてしまったりします。こういった覚え方をすると、実際英文に触れているときconstantの意味がでてこなかったり、もしくは自分が知らない単語だと思ってしまうことすらありえます。単語カードで学習すると順番をしょっちゅうシャッフルできるので、こういった問題はおこりません。

    Duo3.0なんかは例外的にとても効率的な勉強ができる、カードを凌ぐかもしれない良著なのですが、例文の意味が強烈すぎて例文の中にでているから単語の意味を覚えたような気になっただけで、その例文の中の単語が他の本などの英文にでてきたときに意味を即座に思い出せなかったりします。この即座にでてこないというのがTOEIC,TOEFLといった時間制限が厳しいテストでは命取りになりますし、なによりすばやく単語を処理する必要があるリスニングで大損します。

    単語学習についての注意はこちらに書いてありますが、単語学習ばかりしていても読んだり、書いたり、聞いたり話したりできるようにはなりません。単語帳を覚えたのに点数がのびなかった、もしくは長文対策していても読めない、という人が多いですが、語学学習で大事なのは多様な本をいくつもこなしていくことにあるので、単語だけ、長文、文法対策だけではなくそれらすべてや、例文暗記などをやって初めてそれぞれのレベルが上がります。

    この「カード英単語ターゲット」はベストセラー「英単語ターゲット」のカード版なので、出てくる単語はすべて覚える価値があるものばかりです。大学受験だけではなく、TOEIC,TOEFL,IELTS,といった試験や英語話者との日常会話、新聞などで必須の単語ばかりです。

    単語帳の最も重要な役割の一つとして、「出てくる可能性がある単語を選び出す」というものがありますが、このターゲットの単語は本当に重要なものばかりを見事に選び抜いています。

    似たようなものとして「単語王2202」のカードがありますがこれは大学受験やTOEICには出てこないような単語もあるので、少しオーバーワークになる可能性があります。単語力を一気に増大するためにはお勧めなのですが、大学受験やTOEICに特化した単語帳などのほうが単語王より時間効率が良いかもしれません。



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    伊藤 和夫さんの「英語長文読解教室」も個人的にはとてもお勧めなのですが、難しいですし、最初からいきなりというのは大変なので、こちらの「ビジュアル英文解釈」を最初のステップとしてお勧めします。

    こちらの「ビジュアル英文解釈」は多くの受験校の対策として通用するので、大学受験の本として広く支持を得ていますし、たいていこの本で日本の大学受験はOKです。

    ただ、とてもとても重要なのですが、受験英語に基本的に賛成な私でも、長文読解に関しては少し疑問を感じています。英語圏できちんと文章が書ける人たちというのは、新聞、本、論文などのなかでわかりやすく意図がきちんと伝わる英文を書きます。つまり受験英語の長文問題や、長文読解対策の本にでてくるような文章はあまり世間に流通してきません。

    日本の受験英語にでてくるような難解な長文は、ある種の英米文学のスタイルとして見受けられることもあるので、英語の長文の勉強というより、知らず知らずのうちに英語文学読解対策を強いられているというのが現状です。

    なのでTOEIC,TOEFL,IELTSの長文問題の対策は日本の受験英語のものとは全く別です。これらの対策本の難解な文章を理解できる必要はありません。

    それでもこの「ビジュアル英文解釈」や「英語長文読解教室」をお勧めするのは、これらの本が読解のための土台をきっちり作ってくれるからです。

    これらの本の例文すべて、後半のややこしい文章も含めて理解できるようになる必要はありませんが、これらの本の解説、関係代名詞がどこにかかっているかをどう探すか、等位接続詞があった場合どのように文章を処理するのか、こういったことを解説どおりに意識して読み続けていけば伊藤さんがいう「直読直解」にどんどん近づきます。

    体系立てて理論的に文を解体して再構築する手段やコツが多く書かれていて、その通りに読むことを続けていけば、そういったやり方を自然に、無意識に行うようになり、読解がスムーズになります。なので、この本は受験英語以外には向いてないとも言えますが、そういったコツや読み方に関する解説は為になります。

    つまり、受験英語やこれらの本の難解な英文を対策しようとする必要は、受験以外では、無いのですがこれらの本の解説にある文章の解読法は非常にためになります。




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    大学受験用の単語集でもっとも人気があるものの一つでしょう。この本の一番の利点は、細かく過去の頻出単語を調べ上げ、そこから重要な単語を出る順で配置しているところです。大学受験で、対策までもう時間が無く、英語が苦手だけどとりあえず点数を上げたい、という状況でもっとも適した単語帳だといえるでしょう。

    日本の大学受験の英語は、批判もありますが、基本的にとても良くできていて覚える価値がある単語ばかりです。英語圏で英語話者が作ったTOEIC,TOEFL,IELTSといった試験に対応できる単語力も、大学受験のこういった参考書で身につきます。

    すでにこちらのブログで紹介している、スピーキングやライティングに使えるフレーズまで覚えられるDuo3.0や、単語を覚える効率がもっとも良いカードを最初から用意してくれている単語王、これらのほうが長い目でみれば英語力を効率的に鍛えられます。英単語にあまり時間をかけたくない、もしくはよくある一般的な単語帳スタイルで覚えるのが一番やりやすいというのであればこちらのシス単がお勧めです。

    ベストセラーの本なので、ある意味欲がでたというか、色々派生した本やCDが多く売られていますが、それらを買って時間を割くよりは他に文法や長文読解の本を買って勉強したほうが良いです。派生本でお勧めできるのはシステム英単語Basicくらいです。



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