私はまだ研究者としては赤ちゃんのようなものですが、The Research Funding Toolkit: How To Plan And Write Successful Grant Applicationsといった本や、オンラインの情報をもとに色々考えてなんとか助成金ももらえるようになってきたので思ったことを色々書いてみます。

大切なのは
1:申請金額は必要最低限に
2:誰にでもわかるように研究内容を書く
3:ぱっと見て影響力がある、もしくは面白そうな研究だと思ってもらえるように
4:見直しを何回もする
5:誰か第三者にチェックをお願いする

だいたいこの5つだと思います。

まず最初の申請金額ですが、実験に使うパソコンやヘッドホンの購入も助成金で行おうとしたり、海外に滞在した場合の滞在中の食費や雑費まで申請するのは大きな問題です。実際にこういった用途のために助成金を申請する人もいるようですが、基本的には最低限必要なものを最低限の額で申請するべきです。

渡航費であれば直行便や高い便ではなく、最安値のものにして、滞在のホテルもホテルではなく短期アパートにして、節約しようとしているところを見せたほうが心象が良いです。人様のお金でついでに豪遊しようという人は昨今ではたいてい落とされます。昔はそういうこともあったようですが。

続いて2「誰にでもわかるように研究内容を書く」について。研究内容というのはたいていマニアックでわかりづらいものですが、それでも助成について審査する人がわかるように書くべきです。誰が審査するのかは不透明なので、その分野のきちんとした専門家を招く場合もあれば、研究者というだけで専門分野が異なる人々が審査をすることもあります。場合によっては企業や団体の非研究者の方々も審査に加わります。

このように誰が読むのかわからないうえに、専門分野の知識も予測できません。ですから、誰にでもわかるよう、ご家族の誰かが例えばわかるように書くのが一番です。伝わらなければ結局意味がありませんから。

続いて3の「おもしろそうな研究」だと見せるということですが、要するにキャッチーというか、専門分野が異なる人からみてもすごそうな研究だと示すことです。例えば従来よりも、このやり方であれば3倍くらい精度が上がる上に、コストも下げられる、といった具体的でわかりやすい長所を見せることです。「何かよくわからないけど、たしかにすごそう」そんな印象を持ってもらえるように、いかにすごいか、革新的か、社会に役立つかをやりすぎない程度に書きます。

4:見直しを何回もする、というのも当然といえば当然ですが、欧米では何ヶ月にもわたって見直しをして、頭を冷やして見直すということもします。誤字脱字があれば、研究者としてたいしたことが無い、もしくはこの助成にかける熱意がたいしたことがない、という心象を与えますし、単純なことですが、きわめて重要です。

5:第三者にチェックしてもらう、ということですが、これは4や2で書いた内容とつながっていて、本当にわかりやすいことを書けているか、自分では正しいと思って書いた内容が間違っていないか、こういったことをチェックするためにも誰か第三者にお願いするのが一番です。他分野の研究者に見てもらうのが一番ですが、場合によっては家族で十分です。

最後に、もちろん大切なのは研究内容です。これまでに無かったような内容で、影響力があって、それを実行するだけの実力や計画性がある、そういったことを示すことが一番大事です。これについてはもうここで書けるようなことではないのですが。

倍率が高いものになるとそう簡単ではないですし、コネや運も結果に影響するでしょう。それでも出し続ければそのうちきっと貰えるので、挑戦するたびにこれらの事を気をつけて、少しでも書類の精度を上げるべきです。