言語学者が選ぶ最強の語学書集(+語学学習法とか研究とか統計とか)

これまで数百冊の語学参考書を買ってきたので、特にお勧めできるものを言語学者の観点からご紹介。 語学書を活用する為の効率的な学習法や言語学の話題も。

    2019年03月

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    https://www.grammarly.com/

    Grammarlyはネイティヴの英語話者も使う、英文校正ソフトで、マイクロソフトのワードに標準装備の英文法チェッカーよりも精度も高く、より多くの間違いを見つけてくれます。

    TOEFLや英検の英作文を自己採点する際、ビジネスメールを英語で書く際、論文を英語で書く場合などに有益です。

    いくつか注意点があり、まず大切なのは、Grammarly(グラマーリー)を使ったらそれで良いというわけではないという事です。単純なミス、時制のミスなどに弱かったり、YOU IS というような明らかな間違いを見落としたりすることもあります。

    それと、文章をどれくらいチェックさせるかというのも大切で、一度に長い文章を読み込ませた場合と、短文を読み込ませた場合で結果が変わる事があります。なので、ある一つの英文全体を読み込ませた場合に見つけた文法ミスを、その文章の一部を読み込ませた場合、見つけられないという事もあります。

    グーグル翻訳の使い方と似ているのですが、ソフトが認識しやすい英文を作るというのがまず第一です。関係代名詞や挿入句などで複雑になった文章の間違いを修正することはできないので、基本的にはシンプルな英文を書いて、それを校正してもらうのが無難です。また、コロケーションというか、不自然な英語、意味として少しおかしい、といった事は認識できず、あくまでも機械的に、意味は関係なく、文法をチェックしてくれるだけです。

    なので例えば、blow a recorderなんて表現は「笛を吹く」という意味では通じないのですが、日本人はこう書いてしまいがちです。それでも、そういった間違いに気づかないのが現段階のGrammarlyなので、こういった点に注意する必要があります。こういった意味上の不自然さを確かめるのは、究極的には、グーグルで英語圏のネイティヴの文章を対象に検索して、同様のフレーズをネイティブが使っているか調べる必要が出てきます。

    また、Grammarlyが間違っていると伝えてくれる箇所が、実際は間違っていない場合も少なく無いので、そういった点に関しては自分で判断する必要があります。

    最近では、MicrosoftワードプラグインでGrammarlyを導入できるので、ワードファイルを開いてワードファイルを書き進めつつ、チェックできます。

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    英語関連の本は、ある程度売れてしまうという都合上、どうしても軽く内容の無いもの、誤りや極論が語られる事が少なく無いですが、こちらの「一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法」は久しぶりにお勧めできる名著です。

    受験や試験でも話せる英語をどんどん重視するようになる、転換期が今です。文法は基礎として重要ですし、試験としても正誤判定がしやすく、試験運営上非常にやりやすく安上がりなものですが、さすがにこれではいけないという方向に教育が変革してきています。


    元々日本人は文法に固執しすぎて、会話が苦手というのが、英語教育の分野でも言われていますし、この本のような学習スタイルが今後重要になるはずです。

    多くの非英語圏の人々は、英語で話す際、かなり文法に誤りがありつつも、それでも流暢に話をします。もちろん日本語は英語からかけ離れているので、それゆえのハンデもあるのですが。

    また、大人の場合、単純に暗記するのではなく、構造を理解する事で覚える方が、語学学習には適していると言われていますが(子どもには丸暗記の学習が良い)、この本は英文法が、どうしてどう規則づけられているかを解説していて、大人の英文法学習に最適です。

    話したいし、もう一度英文法を勉強したい、という大人の方々に特におすすめの一冊です。



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    かなり売れ筋の「海外ドラマはたった350の単語でできている」を読んでみました。こちらの著作、現在キンドルで無料なんですね。
    率直に言うと、かなり無理があるというか、強引な論法というか、実際口語の大半は3000語前後だと言われていますが、さすがに350語という少なさではないです。それと極めてややこしいのですが、ドラマなどの場合は辞書に載っていないような口語や表現が多く、用いられうる語彙の範囲で言えば8万以上ともいわれています。

    そんなこんなで、タイトルは必ずしも説得力があるものではないかもしれませんが、大切なのはこういった本でモチベーションを上げる事。そして、読み物として面白いので、ああ本当に英語話者はこんな言葉ばかり、確かに言ってるなあ、こういう勉強をすれば為になるなあ、という感覚で読めば良さそうです。

    正直、今は無料だからおすすめだけど、という内容ですが、軽い読み物として無料の期間に読んでみてはどうでしょうか。

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