今回は異色ですが、語学書のカテゴリで販売されているのでこちらの漢字ドリルのご紹介です。

タイトルが「脳を鍛える大人の漢字ドリル」ということでボカされていますが、ボケ防止に有効な本で、きちんと効果がある名著です。算数ドリルなども書いている川島隆太教授ですが、多くの成果をあげています。高齢者の認知能力や記憶力を実際に改善しているという報告も多く、実際祖母に買ったところ効果がありました。

祖母はもう99歳、元気とはいっても記憶力や認知力がどうしても衰えます。同居していないので年に数回祖母のもとを訪れたり、電話していたのですが、そういったちょっとした交流ではその衰えに気づきませんでした。きちんと色々なことを覚えていて、受け答えもしっかりしていた、ように思えていたのです。

ところが知らないうちに祖母の口座から一千万円ほど抜かれていて、詐欺かなにかにあったことがわかりました。その時になって初めて、祖母の記憶がひどく希薄で混濁していて、誰かにお金をあげたのか、暗証番号を誰にいつ教えたのか、通帳や印鑑をわたしたのか、委任状を書いたのか、などなど色々な事が本人もよくわからないということに気づきました。

何らかの詐欺にあったのか、盗まれたのか、何ともいえないですが祖母の記憶力がそこまで衰えていてつけ込むスキがあったことに気づいていなかった自分たち家族にも責任があり、考えを改めました。

脳トレ的なものを始めたほうがいいと思ったものの、祖母にもプライドがありますし、「ボケてるからボケ防止のトレーニングやりーや」ともなかなかいえません。この本のタイトルがちょうどそこも考慮していて、気軽に薦めることができます。

この本を試す前は待ち合わせの時間などを聞き返したり、勘違いして記憶していたのですが、そういったこともなくなりました。会話もスムーズになり、話題も多様になりました。こんな単純なドリルだけでこれだけ変わるのかと驚かされたのですが、変に凝ったことをするよりも実直にこういったことをこなしたほうが良いのかもしれません。

この本を使ううえで難しいのは継続することで、飽きてしまったり、目が疲れる、書く手が疲れる、といった理由で中断することも多いと思います。そういう時はやはり家族で一緒にやって、耳や口を使ってこういったドリルを行っていくと良いでしょう。

ちなみに犯人は捕まらず、警察のほうもお手上げです。やはり当の本人の記憶があいまいだと捜査のしようもないみたいですね。銀行の防犯カメラも録画の有効期限のようなものがあるので、犯行が何ヶ月も前だと残っていないみたいです。老人を狙った犯罪は今後もどんどん増えるでしょうし、家族で犯罪に巻き込まれないように配慮しなければいけない時代ですね。