言語学者が選ぶ最強の語学書集(+語学学習法とか研究とか統計とか)

これまで数百冊の語学参考書を買ってきたので、特にお勧めできるものを言語学者の観点からご紹介。 語学書を活用する為の効率的な学習法や言語学の話題も。

    フランス語・語学学習書

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    フランス語学習のもっとも大きい障害は単語集の少なさかもしれません。

    たいていは英語で出版された本も含めればいろいろと活路が見えてきますが、フランス語の良い単語集というのはなかなか英語でもありません。

    まだ名著として紹介できるかな、という単語集は仏検、フランス語検定試験むけの単語集です。

    ただし、フランス語で普段あまり使わないような、実用的かなんとも言えない単語が二級くらいの単語集に掲載されていることも少なくないです。

    これは単語集自体の問題ではなくて、フランス語検定試験の問題なのですが、あえてわかりづらい単語をまぜて対応力を見たいのか、必ずしも覚えて助かる単語ばかりが出題されるわけではありません。また面倒なことに、そういった語彙が仏検には出るからじゃあ覚えよう、と思ってもそういった単語は基本的にあまり出題されません。

    また、日本で作られた試験であること、受験者が英語などと比べて少なく問題作成のための予算も限られていることなど色々踏まえて仏検はどうしても、たとえばTOEFLなどと比べると、見劣りしますし、用いられる語彙も必ずしもいつも適切とは言えないかもしれません。

    なんとも言えない状況ですが、
    仏検2級・3級対応」フランス語重要表現・熟語集
    仏検 準1級・2級必須単語集 (<CD+テキスト>)
    仏検3・4級必須単語集―petits pois (<CD+テキスト>)

    これら三冊はこんな状況のなか、役に立ちそうな本たちです。

    「仏検 準1級・2級必須単語集 (<CD+テキスト>)」は準一級対策にしては語彙数がたりませんが、単語集として良い本ですし、ほかの二冊も優等生的な良い単語集です。

    仏検に対応している以上、そこまで有益とも言えないかもしれませんが、それでも単語集がとにかくないので、これらをとりあえず覚えてなんとかするしかありません。

    DELF/DALFなどで上級者を目指すのが、実用性の面でも語学力の面でも一番良いのですが、DELF/DALFに対応している単語集はありません。

    個人的にお勧めなのはパスポートという小事典を丸暗記するか、もしくはプチロワイヤルやクラウン、ディコの仏和辞書の赤字のものや星印がついているものを、重要度の高いものから順番に覚えていくことです。ただしかなり根気がいりますし、単語カードを作ったりいろいろ面倒なので、ここで紹介した単語集も併用すると良いかもしれません。




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    oldfrench

    古フランス語を学びたいという人はとても少ないと思いますが、参考書がほとんどありません。日本語でも何冊か出版されていましたが絶版のものが多く、再版されたものも少し読みづらい傾向にあります。

     

    そこで頼りになるのはやはりフランス語で書かれた古フランス語の参考書です。

     

    古フランス語といっても地方や年代によってだいぶ異なりますし全てはカバーできないのですが、変化の規則性のようなものを把握しておくとある程度推測で読めるようになります。規則性については日本語の「古フランス語」のWikipediaでの項目や、そのフランス語版、英語版の古フランス語の項目が役に立ちます。

     

    現代のフランス語に訳された古フランス語の文学などを比較しながら読み進めるのも良い手段でしょう。意外なほどに、日本の古文よりも、参考になる本が少ないのです。


    デカルトくらいの時代になってくると現在のフランス語の知識で読めるようになってきますが、デカルトより一世紀以上前の本に関しては大変かもしれません。

     

    古フランス語を勉強したいというのも、例えば本郷の大学院受験、ラブレーが面白いから、などなど色々な動機があると思います。今の日本には古フランス語をすらすらと読める人というのはほとんどいないので、読めるようになれば誰にも見えない景色を見られる可能性もあります。日本人として生活していて、もしくは日本語を理解していて古フランス語を理解しているからこそ到達できる境地があるでしょう。今はもう諦めていますが私がいつか挑戦したいことの一つです。

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     西村亜子さんと高野優さんによるIBC対訳ライブラリーの本の一つです。
    フランス語教材はrfiなどのおかげで音声ファイルやそのスクリプトが十分な量そろっているので、基本的にはひたすらrfiをシャドーイングしまくるだけでC1くらいの実力はつきます。

    しかしニュースであるrfiは構文がある程度決まっていて、単語も様々ですが、偏りが無いとは言えません。特にフランス文学専攻の大学院受験は文学系のテクストを翻訳する必要があり、そういった文章はrfiのそれとは大きくことなります。

    文学的な表現を読むというのに喜びを覚える人も少なくないですし、この教材のような文学系のもので少し学習にアクセントをつけるのも良い効果をもたらすと思います。

    勉強で難しいのは、同じ事を繰り返すのが重要な一方で、飽きているものを無理にしても効率が悪いということです。rfiばかりやっているとどうしても飽きてしまい、どれだけ根気がある人でも勉強の効率が下がるのでこの本をお勧めします。

    物語自体も、さすが児童文学界の巨匠、SFの始祖ジュール・ヴェルヌ 、おもしろいです。

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    仏検対策の唯一の問題集、という記事のタイトルから色々なことを察していただきたいと思いますが、仏検ではこれだけが対策になります。

    どんな語学の試験でも結局は公式に勝るものはそうそうありません。試験対策なのであれば、実試験と傾向が似ているほど良い参考書になり、公式は似ているというか、実際の試験そのものなので最高の試験対策になります。

    逆に駄目な試験対策本というのは、実試験とあまりにもかけ離れたものたちのことです。まず、語彙が実際の試験に絶対出ないようなものばかりという本があります。構文の難易度、挿入句やわかりづらい接続詞、どこにかかっているのかわかりづらい関係代名詞、熟語、などなど色々なことが試験作成の際に、ルールのようなものに則って、考慮されていてこのルールから離れすぎている本が多いです。

    こういったルールは目に見えないものですが、たとえばリスニング音声の朗読の速さやリーディング問題の語彙数などは簡単に把握できるルールです。そういったところがきちんと出来ていない試験対策本が、特に英語以外の言葉だと、多いです。

    しかし公式の試験問題集は、ほとんどの言語で、非営利団体によって作られているのですが、そこそこ高いです。英検は安いほうで、他の公式問題集、こちらの仏検公式ガイドブックも比較的高いです。

    英検に関しては、以前、非営利団体であるにもかかわらず儲けすぎていると大きく非難されたことがありますが、公式ガイドの値段などを踏まえると他にももっと非難される団体があるように思います。

    そういったわけで、もう少し安くしてほしいこちらの本ですが、買わなければどうにもならないほど対策としては重要な本なので購入せざるをえません。ただ、公式のホームページでPDFがダウンロードできてリスニングの音声ファイルも聞くことができます。試験対策には量をこなさなければいけませんし、公式ページの試験の量はとても少ないので、結局この本を買わなければいけませんが。ある意味これも受験料みたいなものですかね。





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    英語圏で発売されているフランス語の語彙集です。

    フランス語を学習していて困ることの一つが語彙集の少なさです。仏検1級やDALF C1などを狙う場合は一万語は覚えておきたいのですが、それだけの上級者レベルの語彙を収録している語彙集は世界中探してもありません。

    そこでお勧めの学習方法はフランス語の辞書の星印がついているもの、もしくは赤字になっているものを覚えるとちょうど1万語前後になりますし、使われる頻度が高いものばかりです。それらをカード化して覚えれば難易度が高い試験にも対応できるようになります。

    ただしカード化は時間がかかるので、5000語程度覚えたいという場合大きな負担になるかもしれません。もちろんカードを作っていくだけで多くの語彙を覚えてしまえるのですが、それでも効率が悪い場合もあるでしょう。

    そこでこの本をお勧めしたいのです。CDの中にあるプログラムでフラッシュカード機能があるので、カード化の手間が省けます。使いやすいものなので良いのですが、使っているOSのバージョンによっては動かない可能性もあるので注意が必要です。

    この語彙集は独自の基準で語彙を収録していて、たとえば辞書や試験対策語彙集の重要語彙に含まれないようなものがあります。特に顕著なのが日常生活で使う単語で、フルーツの名前やスパイスの名前などがカテゴリ別に収録されています。

    試験の場合調味料の名前はそうそう出ませんし、試験対策には向いていないのですが、フランスで生活することが重要という場合はどの語彙集よりも頼りになります。




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    この本を見て最初に思ったのは「亜麺」てなに?アーメン?アメンボ?ということでしたが、読んでみるととても良い本でした。

    日本語を話せるようになる為の本、ということで文法事項は少ないかと思ったのですが、文法もきちんと説明されています。

    会話文があり、その文に対する文法説明、そして練習問題があり正統派な参考書です。ページ数も多く質も高いので、買って損の無い一冊です。

    こういった本の使い方として面白いのは、このフランス人向け日本語参考書を、日本人向けフランス語参考書として使うということです。この本自体は予備知識がないフランス人でも使えるようになっているのですが、日本人が読む場合はある程度フランス語を理解できなければ難しいです。例文それ自体は初心者用なのでフランス語訳は容易で分かりやすいです。

    こういった本から日本語を見ることで、日本語とフランス語の違いと共通点をより強く認識でき、違った角度からフランス語を見る事が出来ます。勉強はとにかく多角的に同じものを見るのが大切なので、意外な発見があります。

    それと、ある外国語を学んでいるとlanguage exchangeで、日本語を教える機会も少なくありません。フランスでは若者を中心に日本文化が今も人気で、多くの若者が日本語を学びたいと思っています。そういった人たちと言葉を教えあうことで成長できますし、なにせタダです。とてもいい経験になるのでフランス語圏に留学している日本人の学生さんや周りにフランス人留学生がいる人にはこの本でlanguage exchangeを是非して欲しいと思います。






    ↓この本もそうですが、フランスの日本語関連の書籍デザインはインパクトがあるものが多いですね。

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    英語で書かれた仏文法書で一番のお勧めです。

    日本には日本語で書かれた仏文法書で優れたものがありますから、無理にこの本を購入する必要はありません。それでもこの本をお勧めしたいのは、英語が得意な方がフランス語の勉強をしながら実力を維持できること、そして英語を通してフランス語を学んだほうが楽なことが理由です。

    フランスはイギリスと距離的にも近いですし語彙や文法も非常に似ています。もちろんイタリア語やスペイン語はフランス語の方言といえるほどに似ていますが、それでもフランス語と英語の類似点は相当に多いです。

    例えば"même si= even if" や "comme si = as if"がそれぞれの単語も、そして組み合わさった構文の意味も両方同じになったりしますし、英語の知識があればすんなり理解できます。

    この本は分かりやすく、それでいて難しい事柄までカバーしているのですが、全体的に不思議な柔らかい雰囲気のある本で、著者の人柄を表しているかのようです。英語がそこまで得意では無くとも、英検2級程度であれば、そしてフランス語文法の基礎知識があれば読める内容です。

    また日本国内の大学院受験のフランス語対策にも向いています。仏文専攻に出願する場合、英語とフランス語を両方勉強することになりますが、これが案外と大変です。時間効率を上げるためにもこの本でフランス語と英語を両方勉強しておけばそのぶん単語を覚えたり他の事に時間を割けます。

    私自身専門がフランス文学ではなかったのに、修士課程はフランス文学専攻を受験して苦労したのですが、この本で勉強してよかったと思っています。他には英単語をTOEFLようのこちらの本で八割程度覚えれば、英語にはそこまで時間をかける必要はないはずです。あとはひたすら仏文和訳、そして少し和文仏訳、そしてちょこちょことフランス語での面接対策をしておけばたいていは大丈夫です。


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