言語学者が選ぶ最強の語学書集(+語学学習法とか研究とか統計とか)

これまで数百冊の語学参考書を買ってきたので、特にお勧めできるものを言語学者の観点からご紹介。 語学書を活用する為の効率的な学習法や言語学の話題も。

    研究者用英語

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    このブログでは基本的に名著を紹介していて、どれも胸を張って良い本だと言えるものばかりなのですが、そのなかでも特に素晴らしい本というのがあります。この「How to Write and Publish a Scientific Paper」はその特にお勧めしたい本の一つで、まさしくバイブル、理系の研究者ならば必ず読まなければいけない本です。

    第8版ということからもお分かりいただけると思いますが、英語圏では必読の本として多くの研究者に支持されている本です。日本で知られていないというのが信じられないですが、これほど有益な本というのは無く、特に留学していない人たちにお勧めしたいです。

    この本では理系研究者に必要な研究活動のための情報が全て簡潔にわかりやすく書かれています。

    例えば研究者にとっては論文を投稿して、権威があるジャーナル、学術誌から自分の論文が出版されるということが目標の一つとなると思いますが、そういった際の査読のプロセスなどが書かれています。色々な暗黙のルールというのがどこの業界にもありますが、理系の論文を投稿する場合にどのようにカバーレターを書けば良いのか、どういったことが倫理上の問題となりうるのかといったことはなかなかわかりません。特に日本でずっと勉強していると気づかないような事もたくさんあり、そういった際に助けになります。どれくらいの論文が投稿されて、どれくらいリジェクトされるのか、といった生々しいことまで書かれていますが、多くの研究者が知りたい情報だと思います。

    どういったプロセスで査読が進められるのか、書き直しを要求されてもそれは問題ではないのか、書き直しをするべきか、断っても良いのか、などなど知りたい実情というものがリアルに書かれています。

    それと、学会などで発表する際にどうしたらいいのか、どのような流れか、といった事まで書かれています。英語圏やヨーロッパだとだいたい発表者の発表の仕方が似ているのですが、アジア圏からの研究者の発表だと、内容が良くても、形式的な面で少し変わったものに映るものも少なくなく、損してしまうことがあります。

    何度も再版していてしかも時代に合わせて細かく内容を書きかえるので、現在の版では研究者ようのSNSの使い方まで書かれていて、本当に隅から隅まで研究者に有益な情報が書かれています。

    語学書集のブログで扱うのにもふさわしく、アカデミックライティングや英文の書き方まで網羅しています。冠詞をどうしたらいいかといったことや、避けたほうが良い単語、そしてこちらのブログでも紹介している論文用例文サイトなどが書かれています。私の論文の英文がどれくらい優れているのかわかりませんが、もし仮に外国人としてはそれなりに良いアカデミック英語ならほとんどこの本のおかげです。

    この本があまりにも良かったので類似の、この本のなかで広告的に掲載されているアカデミックライティングの本も買ってみましたが内容が重複していたり、重複していない箇所はあまり重要ではないものだったりで、あまりお勧めできるものではありませんでした。それだけこの本が特別なのかもしれませんね。

    今でもバイブルとして、再版のたびに、年配の研究者も購入しているこの本ですが、「暗黙ルールがまとめられた本」と思っておけばよいかもしれません。学会や学術誌のルールというのは投稿の際にもちろん書かれていますが、あまりにも多くの書かれていない規則というものがあり、厄介なことにその裏のルールは時代とともに変わります。

    国際的に業績を稼ぎたかったら絶対買って損の無い一冊です。


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    無料で大量に論文よう英文テンプレートを公開しているAcademic Phrasebankですが、有料版のPDFやキンドルが入手できます。(PDFはこちら、キンドル版はこちらで購入)

    主に理系の論文を英語で書く場合のテンプレとして有効で、これだけで論文が書けるようになるくらい多くの例文を網羅しています。理系だと論文のスタイルや、論文を構成する要素がだいたいどこでも同じなので、綺麗にカバーされています。

    有料版と無料版の違いは分量で、有料版のほうが20%ほど、体感ですが、例文量が多く、より広い範囲をカバーできるようになり、同じ表現の繰り返しも避けられます。

    そのほかの有料版のメリットは、見やすさです。レイアウトがホームページで紹介されている無料版と有料版では異なり、有料版のほうが個人的には見やすく感じます。なんといってもPDFなら印刷して読むことができるので、使い勝手が良くなります。

    このテンプレ集をつかい、以前お勧めしたGrammarlyを使って冠詞などをチェックし、ネイティヴが書いた参考文献から適切な語彙や表現を借りてくればほぼネイティヴ並みの論文を書けます。

    日本で出版されている、日本語で解説された英語の論文用例文集も良いものがありますし、解説のおかげで使いやすいですから最初はそちらで良いと思います。ただ、そういった本の例文をネイティヴにチェックしてもらうと、やはり非ネイティヴ的な表現だと言われます。

    ちなみに、IELTS、 TOEFL、 GREや英検でもテンプレというのは非常に有効で私が高得点をライティングでとれたのは、あまり誇れたことではないでしょうが、ほとんどテンプレのおかげです。それだけテンプレ作りは重要で、このAcademic Phrasebankも言うまでもなく試験用テンプレート作りに有効です。TOEFLなどの採点者はインターネット上で広まっているようなテンプレには見慣れてしまって、採点が厳しくなります。いろいろなことを踏まえて、自分で自分にあった、どんな場合でもカバーできて英語力をこれでもかと見せつけられるテンプレを自分で作るのが何より重要で、このAcademic Phrasebankはその第一歩になると思います。

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    今の時代、ジャーナルで書くときの英文の構造というのは型が決まっていて、そこに内容をあてはめていけば論文を書けてしまいます。ある意味では英語力というものよりも、英語のテンプレート力みたいなものが求められているとも言えます。

    そんななかで参考になるのがこちらのサイト、Academic Phrasebankです。マンチェスター大学が提供しているサービスで、多くの研究者向けの書籍に掲載されているような例文集を無料で公開しています。しかも量がそういった書籍の例文を上回ります。

    科学論文のためのテンプレではありますが、さまざまな分野のジャーナルにそのまま使えます。

    どんなジャンルでも使える普遍的な、広く浅いフレーズばかりで、少し込み入ったことや専門とする分野でしか出てこないような表現をしたいときに使える表現はここには無いはずです。

    Academic Phrasebankである程度の体裁をととのえつつ、あとは自分の専門分野で使えるようなテンプレを、著名なジャーナルの同じ分野で尚且つネイティブが書いている論文から作り出してしまうのが個人的には一番良い手段だと思います。

    英語でジャーナルのために論文を書くのはスタイルの違いや、文法上のルールなど、色々な関門があるのですが上記の手法でたいていなんとかなります。

    ジャーナルに掲載されるための英語というのはある種のルールがあって、その暗黙のルールに気づいて、従うことができるかどうかが全てです。そのための第一歩となる大きなフレームをこのサイトで作り上げ、中くらいのフレームを自分の参考文献のなかから抜き取って、最後に肉付けしたら完成です。

    TOEFLやIELTSなどの試験対策ではややこしい構文や難しい単語をちりばめることで高得点がとれますが、そういったルールと全く違うルールに気づいていきたいですね。

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    助成金というのは研究者はもちろん皆欲しいものですし、ただ単純に研究に役立つというだけではなくて、より良いポストのためにも重要です。引用数もそうですが、助成金をどれだけ得られたかも研究者としての資質を示すものです。人によっては自分のホームページにどれだけ助成金を得たか、場合によっては合計金額まで書いている研究者もいます。「私の戦闘力(助成総額)は53万ドルです」ってとこでしょうか。あまり自分で言わないほうがいいと思いますが。

    英語圏だと、どうやって助成金をゲットするか、というワークショップなどがあったりして、わりとスタンダードな書類の書き方のようなものがあります。研究は論文にしろ、こういった助成の為の書類にしろ、決まったフォーマットにそったものにしなければいけないので、要注意です。日本の助成の審査も基本的には変わらないと思います。

    そんな中で本まで出版されました。それがこの"The Research Funding Toolkit: How To Plan And Write Successful Grant Applications"です。

    ただ単純に書き方をどうしたらいいか、といったことだけではなくて、助成の探し方など幅広くカバーしてます。個人的には、グーグルでとにかく色々単語を変えて検索しまくるというのが、助成を見つける一番の方法だと思っています。学会のページや大学のページにも助成の情報はありますが、広い範囲をカバーしているものが多いです。たとえば人文系のための助成など。ただ、言語学のための助成というものの方が単純に競争率も低いことも多いですし、ある程度は運に左右されるのでたくさん助成の募集情報を見つける必要があります。そういったなかでグーグルはなんでも載っているので、時間はかかりますが、あまり知られていなくても優れた助成などを見つけられます。

    基本的にはやはり、教養のある人が読めばわかる内容で、尚且つ研究そのものが優れていると示すことができるかどうかが鍵でしょうし、そう書く能力というのは論文や学会でのプレゼンでも必須ですね。





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