言語学者が選ぶ最強の語学書集(+語学学習法とか研究とか統計とか)

これまで数百冊の語学参考書を買ってきたので、特にお勧めできるものを言語学者の観点からご紹介。 語学書を活用する為の効率的な学習法や言語学の話題も。

    語学学習に有効?なサプリやスマドラ

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    合法に入手できるスマートドラッグは一通り試しましたが、効果があると体感できるほどのものはほとんどありませんでした。そんな中で効果があった数少ない例がロディオラです。ちなみにスマートドラッグとして扱われることもありますが、そこまで仰々しいものでもなく、ハーブ、サプリのようなものです。

    ロディオラは記憶力があがる、という記述や頭が良くなるというような文句も目にしますがそういった効果は体感できませんでしたし、グーグルスカラーなどで論文を検索しても、人間の記憶力や能力の向上につながるときちんと証明できている論文はありませんでした。

    では何に効果があるのかというと、抗うつ効果です。

    なぜ勉強や語学学習の効率を上げるための情報を書いていて、抗うつが関係するかというと、勉強のための環境を整えるとだいたい鬱々としてくるからです。

    勉強や仕事に集中したい場合は、日光がなるべく入らないようにすると良いといわれていますが、気分が落ち込みます。逆に太陽光が入る部屋は気分は良いのですが、集中力が下がりだらけます。勉強や仕事のしすぎで、疲労感からの気分の落ち込みもあるでしょう。

    またカフェインはもっとも広く使われているスマートドラッグで、効果もきちんと証明されています。仕事の効率や集中力に貢献してくれるので、モンスターエナジー、レッドブル、オロナミンCなどの栄養ドリンクにも含まれていて効果があります。サプリでもカフェインを摂取できますが、安易に摂取できるわりにはそこそこ強い副作用があります。一番よくある副作用で、誰もが経験しうるのが不安障害やイライラです。

    ちょっとしたことですが、遮光カーテンで太陽光を遮断してカフェイン入りの飲み物を飲めば体感できるレベルで集中力があがり、仕事や勉強の効率が確実に上がります。ただし毎日これを続けると確実に不安障害に近づきます。そうなると今度はまた余計な問題が起こりますし、結局効率が悪くなるので、避ける必要があります。

    そこでベストなのがこのロディオラで、綺麗にこれらの副作用を中和してくれて、鬱々とすることなく、仕事や勉強にうちこめます。抗うつ効果に関してはきちんといくつかの信頼できる論文で報告されているので信頼できます。

    うつ病の薬ほどの効果はないのかもしれませんが、副作用がほとんどないですし、気軽に使えるのが素晴らしいです。ほとんど無いというのが重要で、かえって不安になったという人もいるので、そういった場合は即座にやめるべきです。動悸、イライラ、吐き気、不眠、のどが渇く、不安感、などなどそこまで重大なものはないのですが、不安感を消すために投与して不安感が増したら全くもって無駄なので、注意が必要です。ただし、長期間しかも大量に服用しなければ副作用の可能性はとても低いので、そういったことも踏まえつつ摂取してみるのが良いでしょう。

    スマートドラッグのほとんどはアフィリエイト目的の誤情報ばかりで、実際に効果があるのはほとんどありませんが、数少ない、実際に研究で効果が証明されているのがロディオラです。とは言っても頭を良くするような効果を証明する論文は無いですが、それでもカフェインなどの副作用を帳消ししてくれるのは非常に心強いです。

    私の場合はロディオラとジョギングでいつでも心身ともに健康です。ただしロディオラに関しては毎日摂取すると何らかの副作用がでるかもしれないので、疲れてきた時や、落ち込んでいるような気がする時のみ摂取していて、あとは毎日ジョギングで気分を安定させています。

    遮光カーテンとジョギングが一番リスクが無く、確実に効果があるので、基本的にはこの二つでしのいでいます。忙しい場合や締め切り前はロディオラとカフェインをプラスすることが多いです。

    スマドラ関連はほとんど広告目的の誤情報しかネット上にないので、逆にここでは広告もリンクも貼りませんが、iHerb.comというサイトで購入するのが一番手軽で安くすみます。Iherbからだと海外からの購入になるので、もっと気軽に買いたい場合はアマゾンなどでも買えます。




    参考文献一覧
    Bystritsky, Alexander, Lauren Kerwin, and Jamie D. Feusner. "A pilot study of Rhodiola rosea (Rhodax®) for generalized anxiety disorder (GAD)." The Journal of Alternative and Complementary Medicine 14.2 (2008): 175-180.

    Darbinyan, V., et al. "Rhodiola rosea in stress induced fatigue—a double blind cross-over study of a standardized extract SHR-5 with a repeated low-dose regimen on the mental performance of healthy physicians during night duty." Phytomedicine 7.5 (2000): 365-371.

    Perfumi, Marina, and Laura Mattioli. "Adaptogenic and central nervous system effects of single doses of 3% rosavin and 1% salidroside Rhodiola rosea L. extract in mice." Phytotherapy Research 21.1 (2007): 37-43.

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    学習に役立つと言われるスマートドラッグやサプリは数多くありますが、語学学習に有効と言われるものは少ないです。そもそも語学学習に関連する研究を行っている研究者はスマートドラッグと関連付けた研究をほとんど行っていないのが現状です。

    ピラセタムはわりとメジャーなスマートドラッグで色々な情報が見つかります。ピラセタムは記憶力をあげてくれる、と言及しているサイトが多いです。

    グーグルスカラーだけではなくて、単純にグーグルも使ってみましたが、ピラセタムが語学学習に有効だという研究は見つかりませんでした。もちろんピラセタムはただ記憶力を上げるだけではなくて、語学学習にも有効だと主張するサイトもありましたが、信用できるソースはありませんでした。

    ピラセタムが記憶力を高めるのであれば、単語記憶や例文記憶に役立つ「可能性」(あくまで可能性ですが)がでてくるので、記憶力をあげるのか調べてみました。

    軽く探して見つかったのは、ネズミが何かを覚えてから忘れるまでの時間がピラセタムによって延びるというようなものでした。これはけっこう曲者なデータで、まず人間に同様の効果があるとは限りません。それと、仮に忘れるまでに時間がかかるようになるといっても、記憶が結局後々まで残るのか残らないのか、残るとしたらより高い確率で残るのか、などなど色々なことがわかりません。

    また同様の研究結果は古いもので、統計的問題や、実験方法に問題がある可能性が高く、本当にネズミの記憶力を向上させたと言えるかどうかもわかりません。

    人に関する研究はほとんど全て、何らかの障害や病気の患者さん対象です。病気によって認知障害をもち、その障害がよくなったというようなものです。そして健常者には効果がないと示す研究もありました。

    結局スマートドラッグが学習に有益かどうかという研究は倫理的な問題から実行がとても難しく、なかなかまともにできないので、医学関連の、学習とは関連が無いものくらいしか研究がありません。

    記憶力が下がる病気になった人の記憶力がよくなったからと言って、健常者に効果があるとは限りませんし、かと言って学習に効果があるかどうかを扱う研究は倫理的な問題があるということで大学や研究機関にとめられる可能性があります。(イギリスだと論文を書き始める前に、その研究が倫理的な問題を起こさないかを審査する部署があり、その審査を通らなかったら研究が止められるということもあります)

    副作用については色々あります。これはきちんとした論文で証明されていて、運動過多、体重増加、気分が落ち込む、頭痛、振戦、変な衝動にかられる、などが報告されています。これらは長期間服用した場合の研究ではありませんし、副作用に関する研究はたいてい増えていくので、長期間服用したら思わぬ副作用に苦しむかもしれません。精神的な面に影響する副作用は結構困りもので、お客さんや上司に変に高圧的になったりしてしまうと困りますね。

    ピラセタムは割とメジャーなスマートドラッグではあるものの、信頼できる情報は無く、アフィリエイトや販売目的の誤った情報が広まっているだけのようです。

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    食事や部屋の明るさ、温度に関しても、できる限り勉強の効率をあげるようなものに私はしていますが、そのきっかけになった本です。

    池谷先生は研究者としてもご活躍で、そういった背景もあってか、こういった本にありがちなエセ科学要素が一切ありません。当時の最新の研究なども踏まえて、誤解や誤情報に気をつけて、わかりやすく解説されています。

    「マイナスイオン」、「ブルーベリーは目に良い」、「水素水」なんてものもありましたが、こういった非科学的なことは絶対に書かれていません。それだけでもお勧めできるくらいです。

    記憶力を強くするための方法、というのも書かれていますが、記憶というものそのものの説明にもだいぶページ数が割かれています。記憶術のようなことがほとんど書かれていないのがとても好印象です。というのも記憶術と言われるものはそれぞれ問題もありますし、本当にこういったテクニックが必須というのはごく限られた状況です。

    例えば円周率のようなランダムで論理付けで覚えられない、長い情報の記憶くらいです。ほかの事は逆に、愚直に音読やカード、アプリを使って記憶していったほうが、後々の記憶の使い勝手がよくなります。

    記憶術関連の情報がのっている本は胡散臭い情報が多いですし、場合による使い分けといった細かいところまで言及されていないのでとても使いづらいです。例えばものを覚えるときに、その覚えたい物事に関連付けてストーリーを作り、そのストーリーにそって思い返していけば思い出していける、といったものです。円周率の記憶なんかで使っている人が多い手法ですね。

    ただし記憶術なんていわれているもののほとんどは語学と相性が悪く、例えば、英語の例文記憶に応用しようとすると、あまり役に立ちません。語呂合わせなんかもそうですが、「これは~だから~だったな」、という感じで、ただ思い出すだけでも、毎回記憶の変換作業のようなものが必要になります。「コックさんだから593年だな」という感じで即座に593年がでてくるわけではなくて、「コックさん→593」という変換作業をしなくてはいけません。

    単語や例文、熟語をこういった手法で覚えてしまうと、とくにリスニングで悲惨なことになって、その変換作業をしている間にどんどん音声ファイルは進んでいき、作業をしている間はろくに聞けていなくて追いついていけません。

    DUO3.0は本当に優れた参考書で、ほとんどケチをつけられないのですが、DUOで単語や熟語を覚えるとこういった問題に直面します。「in a rage ってなんだっけ?」→「mama yelled in a rageだったから、怒ってって意味だったな」という感じで、思い出すのに変に時間がかかることがあり、試験時間が足りなくなったりリスニングでおいていかれてしまいます。

    池谷先生のこの本に書かれているのは小手先のテクニックではなくて、根本的な話がほとんどです。根本的な力というのはなかなか伸びませんし、成長に根気と時間がかかります。しかし長い目で見れば、そういった実力が大きな結果につながってきます。こういったことや読みやすさ、情報もとの正確さなども含めて本当に良い本だと思います。

    そして私はこの本を読んでからスマドラ(スマートドラッグ)やサプリの世界に旅立ちましたが、そのことに関してはまたほかのところで。個人的にスマドラはほとんど効果を感じませんし、ぜんぜんお勧めできるようなものではありませんが、そのうち書いてみます。

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