言語学者が選ぶ最強の語学書集(+語学学習法とか研究とか統計とか)

これまで数百冊の語学参考書を買ってきたので、特にお勧めできるものを言語学者の観点からご紹介。 語学書を活用する為の効率的な学習法や言語学の話題も。

    受験英語

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    単語を覚えるうえで一番効率的なのはカードを使うことです。単語帳の単語を、シートで隠したりしながらみて覚えていくよりはるかに効率的です。

    理由としては二つあって、まず一つはカードだと覚えた単語と覚えてない単語を管理できることです。覚えた単語のカードをどこか別のところに保管しておいて、覚えてないカードのみを音読したり読んだりしていけば、既に知っている単語を目にする時間が無くなり、時間を節約でき、そのぶん効率的に覚えられます。また、最近覚えたけどしっかり覚えたわけではないというカード群を、きちんと覚えたカードを入れている箱とは別の箱にいれておいてマメにチェックするとほとんどの単語カードを最終的には覚えられます。100%すべてのカードを覚えようとしてもどうしてもいくつかのカードは覚えられないので、それらに時間を割かず、そのぶん読解対策やリスニング対策をすべきですが。

    二つ目のカード学習のメリットは、単語の順番をシャッフルできることです。たいしたこと無いように思われるかもしれませんが、単語帳で覚えていくと、掲載されている前後の単語が何かといった、単語とは直接関係が無い本に固有の情報と関連付けて覚えてしまったりします。

    例えば

    conquerの次に掲載されている単語だから、このconstantの意味は「一定の」だったな。

    なんて感じで無意識に前後の順番で単語を覚えてしまったりします。こういった覚え方をすると、実際英文に触れているときconstantの意味がでてこなかったり、もしくは自分が知らない単語だと思ってしまうことすらありえます。単語カードで学習すると順番をしょっちゅうシャッフルできるので、こういった問題はおこりません。

    Duo3.0なんかは例外的にとても効率的な勉強ができる、カードを凌ぐかもしれない良著なのですが、例文の意味が強烈すぎて例文の中にでているから単語の意味を覚えたような気になっただけで、その例文の中の単語が他の本などの英文にでてきたときに意味を即座に思い出せなかったりします。この即座にでてこないというのがTOEIC,TOEFLといった時間制限が厳しいテストでは命取りになりますし、なによりすばやく単語を処理する必要があるリスニングで大損します。

    単語学習についての注意はこちらに書いてありますが、単語学習ばかりしていても読んだり、書いたり、聞いたり話したりできるようにはなりません。単語帳を覚えたのに点数がのびなかった、もしくは長文対策していても読めない、という人が多いですが、語学学習で大事なのは多様な本をいくつもこなしていくことにあるので、単語だけ、長文、文法対策だけではなくそれらすべてや、例文暗記などをやって初めてそれぞれのレベルが上がります。

    この「カード英単語ターゲット」はベストセラー「英単語ターゲット」のカード版なので、出てくる単語はすべて覚える価値があるものばかりです。大学受験だけではなく、TOEIC,TOEFL,IELTS,といった試験や英語話者との日常会話、新聞などで必須の単語ばかりです。

    単語帳の最も重要な役割の一つとして、「出てくる可能性がある単語を選び出す」というものがありますが、このターゲットの単語は本当に重要なものばかりを見事に選び抜いています。

    似たようなものとして「単語王2202」のカードがありますがこれは大学受験やTOEICには出てこないような単語もあるので、少しオーバーワークになる可能性があります。単語力を一気に増大するためにはお勧めなのですが、大学受験やTOEICに特化した単語帳などのほうが単語王より時間効率が良いかもしれません。



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    伊藤 和夫さんの「英語長文読解教室」も個人的にはとてもお勧めなのですが、難しいですし、最初からいきなりというのは大変なので、こちらの「ビジュアル英文解釈」を最初のステップとしてお勧めします。

    こちらの「ビジュアル英文解釈」は多くの受験校の対策として通用するので、大学受験の本として広く支持を得ていますし、たいていこの本で日本の大学受験はOKです。

    ただ、とてもとても重要なのですが、受験英語に基本的に賛成な私でも、長文読解に関しては少し疑問を感じています。英語圏できちんと文章が書ける人たちというのは、新聞、本、論文などのなかでわかりやすく意図がきちんと伝わる英文を書きます。つまり受験英語の長文問題や、長文読解対策の本にでてくるような文章はあまり世間に流通してきません。

    日本の受験英語にでてくるような難解な長文は、ある種の英米文学のスタイルとして見受けられることもあるので、英語の長文の勉強というより、知らず知らずのうちに英語文学読解対策を強いられているというのが現状です。

    なのでTOEIC,TOEFL,IELTSの長文問題の対策は日本の受験英語のものとは全く別です。これらの対策本の難解な文章を理解できる必要はありません。

    それでもこの「ビジュアル英文解釈」や「英語長文読解教室」をお勧めするのは、これらの本が読解のための土台をきっちり作ってくれるからです。

    これらの本の例文すべて、後半のややこしい文章も含めて理解できるようになる必要はありませんが、これらの本の解説、関係代名詞がどこにかかっているかをどう探すか、等位接続詞があった場合どのように文章を処理するのか、こういったことを解説どおりに意識して読み続けていけば伊藤さんがいう「直読直解」にどんどん近づきます。

    体系立てて理論的に文を解体して再構築する手段やコツが多く書かれていて、その通りに読むことを続けていけば、そういったやり方を自然に、無意識に行うようになり、読解がスムーズになります。なので、この本は受験英語以外には向いてないとも言えますが、そういったコツや読み方に関する解説は為になります。

    つまり、受験英語やこれらの本の難解な英文を対策しようとする必要は、受験以外では、無いのですがこれらの本の解説にある文章の解読法は非常にためになります。




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    大学受験用の単語集でもっとも人気があるものの一つでしょう。この本の一番の利点は、細かく過去の頻出単語を調べ上げ、そこから重要な単語を出る順で配置しているところです。大学受験で、対策までもう時間が無く、英語が苦手だけどとりあえず点数を上げたい、という状況でもっとも適した単語帳だといえるでしょう。

    日本の大学受験の英語は、批判もありますが、基本的にとても良くできていて覚える価値がある単語ばかりです。英語圏で英語話者が作ったTOEIC,TOEFL,IELTSといった試験に対応できる単語力も、大学受験のこういった参考書で身につきます。

    すでにこちらのブログで紹介している、スピーキングやライティングに使えるフレーズまで覚えられるDuo3.0や、単語を覚える効率がもっとも良いカードを最初から用意してくれている単語王、これらのほうが長い目でみれば英語力を効率的に鍛えられます。英単語にあまり時間をかけたくない、もしくはよくある一般的な単語帳スタイルで覚えるのが一番やりやすいというのであればこちらのシス単がお勧めです。

    ベストセラーの本なので、ある意味欲がでたというか、色々派生した本やCDが多く売られていますが、それらを買って時間を割くよりは他に文法や長文読解の本を買って勉強したほうが良いです。派生本でお勧めできるのはシステム英単語Basicくらいです。



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    単語対策ほど重要ではないのですが、志望校や自分が熟語が得意か苦手かに応じて、熟語対策も必要になります。これはあくまで受験英語用で、英検やTOEFL,IELTS,TOEICには凝った熟語も出てきませんし、単語対策だけで十分です。

    ここに書いたように単語に時間をかけすぎるのはリスキーなので要注意ですが、熟語に時間をかけすぎるのはもっと大きな時間のロスになりかねません。あくまで受験英語の熟語が苦手な場合のみ、この本が必要になります。

    受験は時間配分が重要ですし、それぞれの学習の時間は少なくすむならそれがベストです。本というよりも、こちらはカード集なのですが、カードであるがゆえに簡単に覚えられます。本で覚えるほうが得意、という方も多いですし、意固地にカードは避けるという学習者もいるのですが、カードで覚えたほうが効率ははるかに良く、短時間でより多く覚えられます。

    また本で覚えるような単語集・熟語集の問題の一つは、単語や熟語そのものを記憶するのではなくて前後の語が何であったかという付属情報のおかげで意味を覚えてしまうということです。こういった覚え方を無意識にしてしまうので、実際に覚えたと思っていた単語や熟語が試験問題に出た時に意味が思い出せないことがあります。

    カードのもう一つの利点は、覚えたもの(もう覚える必要がないもの)を除外して、触れずにすむことです。覚えているものをもう一度目にするというのは、復習ともいえますが、時間のロスになることが多いので、覚えたカードには目を通さないようにすることで時間を無駄にせずにすみます。

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    受験英語のベストセラー、竹岡広信さんの「ドラゴンイングリッシュ」です。

    この本の素晴らしいところは、たった100文で広範囲に英語をカバーできることです。伊藤さんの基本英文700選が700文、特に必要という文章でも500文ありますから、それと比べるととても少ないです。

    700選も名著で、それぞれ違った活用法をすることになります。

    ドラゴンイングリッシュの場合は英作文に特に使えるという内容で、伊藤さんの700選は特に読解対策と英作文に真価を発揮します。

    ドラゴンイングリッシュの英文を覚えて単語を入れ替えるだけで幅広いトピックで英作文を書く事ができるようになります。しかもそれは受験英語だけではなく、他のTOEFLやIELTS、英検といった他の試験にまで使用することができます。

    ただしこれで英文が読めるようになるか、というと700選と比べると、少し追加の対策が必要になるでしょう。幅広い構文が掲載されていますが、受験に出題されうる構文全てがカバーされているとは言えません。しかし構文が受験英語よりも素直なTOEFLやIELTSではドラゴンイングリッシュで事足ります。

    また、二度手間にはなりませんが、500文くらい覚えられる、と思う方は最初から700選のなかの重要構文500を覚えたほうが効率的でしょう。

    しかし流石は競争が激しい受験英語書のベストセラー、たった100文でこれだけ広範囲の英語の必要事項をまとめるというのは驚異的です。

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    予備校界のスター、今井宏さんの文法書です。

    Forestの真面目さや真摯さに一歩引いてしまう学習者や、気軽な気持ちで楽しんで本を読みたいという場合はこちらをお勧めします。特に、文法学習はたいくつでつまらない、という人に最もお勧めしたいです。

    勉強をする上で大切なのは覚えづらい複雑な情報をどのようにまとめて記憶しやすくするかということですが、そういった情報のまとめ方を学ぶこともできます。

    見やすさとわかりやすさを常に意識して書かれていますし、超有名講師になったのは伊達ではないと思わせてくれるほどにすんなりと理解できます。今井さんの話し方や人柄も人に好感を与えるもので、人間的にとても魅力がある方なので実際に今井さんを知っていると更に楽しく勉強できると思います。

    あくまで受験英語、という感じでTOEICやTOEFLなどの試験対策としては、知っているに越した事は無いが絶対必要というわけではない項目も少なくないかもしれません。それでもこういった試験を受けるために文法を軽く復習したい場合は読みやすいのでお勧めです。





     

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    受験戦争を勝ち抜く為の最強の武器としてその名を轟かせる名著、鈴木 陽一さんの『 DUO 3.0 』です。

    英語の重要性と受験参考書の需要から、日本には英語の参考書が星の数ほどありますが、この本はその頂点にあるといっても良いでしょう。

    その大きな特徴はこの一冊で英語力が広く身につくことです。全く無駄が無い例文を通して、重要な文法事項、構文、単語を全てカバーできます。もちろんこの本に出てこないような構文や単語が受験や英語試験ではどんどんでてきますが、この本をやっておけば基礎力は十分です。この本を終えたら後は志望校の過去問や、受ける試験に対応した参考書をやりこめば良いでしょう。

    この本のすごいところは情報の濃密さです。普通の単語帳を20時間読むと、単語力が5レベルあがり他の英語技能のレベルが1程度あがると仮定して、このDuoを20時間こなすと単語力が7レベル上がり、読解力、聴解力、作文力、英会話力それぞれが4レベルほどあがります。なので同じ時間を他の参考書に費やすよりもはるかに効率的です。リスニング力が上がるのは、別売のCDのおかげで、このCDの朗読も恐ろしくレベルが高いです。感情のこめかたが絶妙で、くどすぎず、記憶に強く残る朗読です。

    この本の例文はきちんとネイティヴにチェックしてもらっているので、そのまま覚えて単語を入れ替えれば英作文や英会話でそのまま使えます。さまざまな表現と単語をカバーし、記憶に残りやすいようなストーリー性ももたせ、なおかつネイティヴのチェックもきちんとしているからアウトプットにも使える奇跡のような本です。

    全く無駄の無い参考書界の怪物です。これくらいのレベルの本がそれぞれの外国語で出版されたら、日本という国が変わるでしょう。

    CDは基礎用と復習用がありますが、基本的には復習用がお勧めです。基礎用は再生速度の遅さや日本語訳が時間のロスに繋がります。

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