言語学者が選ぶ最強の語学書集(+語学学習法とか研究とか統計とか)

これまで数百冊の語学参考書を買ってきたので、特にお勧めできるものを言語学者の観点からご紹介。 語学書を活用する為の効率的な学習法や言語学の話題も。

    英語リーディング

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    伊藤 和夫さんの「英語長文読解教室」も個人的にはとてもお勧めなのですが、難しいですし、最初からいきなりというのは大変なので、こちらの「ビジュアル英文解釈」を最初のステップとしてお勧めします。

    こちらの「ビジュアル英文解釈」は多くの受験校の対策として通用するので、大学受験の本として広く支持を得ていますし、たいていこの本で日本の大学受験はOKです。

    ただ、とてもとても重要なのですが、受験英語に基本的に賛成な私でも、長文読解に関しては少し疑問を感じています。英語圏できちんと文章が書ける人たちというのは、新聞、本、論文などのなかでわかりやすく意図がきちんと伝わる英文を書きます。つまり受験英語の長文問題や、長文読解対策の本にでてくるような文章はあまり世間に流通してきません。

    日本の受験英語にでてくるような難解な長文は、ある種の英米文学のスタイルとして見受けられることもあるので、英語の長文の勉強というより、知らず知らずのうちに英語文学読解対策を強いられているというのが現状です。

    なのでTOEIC,TOEFL,IELTSの長文問題の対策は日本の受験英語のものとは全く別です。これらの対策本の難解な文章を理解できる必要はありません。

    それでもこの「ビジュアル英文解釈」や「英語長文読解教室」をお勧めするのは、これらの本が読解のための土台をきっちり作ってくれるからです。

    これらの本の例文すべて、後半のややこしい文章も含めて理解できるようになる必要はありませんが、これらの本の解説、関係代名詞がどこにかかっているかをどう探すか、等位接続詞があった場合どのように文章を処理するのか、こういったことを解説どおりに意識して読み続けていけば伊藤さんがいう「直読直解」にどんどん近づきます。

    体系立てて理論的に文を解体して再構築する手段やコツが多く書かれていて、その通りに読むことを続けていけば、そういったやり方を自然に、無意識に行うようになり、読解がスムーズになります。なので、この本は受験英語以外には向いてないとも言えますが、そういったコツや読み方に関する解説は為になります。

    つまり、受験英語やこれらの本の難解な英文を対策しようとする必要は、受験以外では、無いのですがこれらの本の解説にある文章の解読法は非常にためになります。




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    伊藤さんの英文解釈教室も多くの学習者にとって難しいものですが、この本はその上をいきます。

    端的に言ってしまうと、この本は文学研究を目指す人や文学の翻訳家を目指す人のものです。ただ英語の試験勉強をしていただけではとても出来ないような翻訳の業を見ることができます。

    副詞、冠詞、代名詞、などなど色々な項目にわかれていて、なかなかお目にかかることが無いような表現とその訳、解説が書かれていて英語という言葉の表現の広さを綺麗に表現している本です。普段英語を読むような日本人でも、めったにお目にかかれないような美しい、表現力に富んだ例文を楽しめます。

    実際の文学作品が多く引用され、その原文と翻訳が掲載されているのですが、幅広くカバーされています。特にマーク・トウェイン、バートランド・ラッセルやジョン・ウェインなどからの引用が多く19世紀末、20世紀初頭あたりの作品が多いので現代の私たちにも読みやすいともいえます。

    文学史上の名作を原文とともに優れた訳、そして解説つきで色々と読めるのはとても楽しいです。文学は言語表現の最高峰の形の一つなので、語学が好きな人であれば十分楽しめる内容です。

    英語以外ではこれほどのもの名著はなかなかありません。あったとしてもどうしても著者の専門分野、専門とする作家の例文が中心になります。この「新訂・英文解釈考」ではそれでもかなり広い範囲から例文が紹介されていて、その多様性からも著者の英文学への造詣の深さが、ただ深くだけではなく、大きく横にも広がっていることがわかります。こんな本は世界中探してもなかなかありませんし、今後もこれほどの本が生まれることはもう無いのかもしれません。悲しいことに文学よりもビジネスに結びついた英語に多くの人が流れていってしまうからです。

    ちなみにこの本を読んでもTOEICやTOEFL, IELTS, 英検などの点数はほとんどあがりません。あまりにも内容が違いすぎるからです。文学的な表現は本当に特殊で、まったく別の世界です。そういった文学英語の世界を見せてくれる本というのはほとんどありませんし、そういった意味でも貴重な一冊です。

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    行方昭夫先生の『英文の読み方』を今回はご紹介したいと思います。

    英文読解の本というと大学受験のためのものが多い中でこの本は、文学者で大学でも指導していた行方先生の本なので少し毛色が違います。

    受験用の英文読解はどうしても構文の構造を探るような読み方になってしまって、全体像、もしくは英語そのものをおぼろげに見ることになりますが、この本を通して見る英文はもっと開けたものです。

    行方先生の言葉で印象的なのは、読めるのに話せないなどという事は無くてそもそもそういう場合読むことも出来ていない場合が多いということです。私自身、言い訳のように読むことは出来るけど話せないと思い込んでいましたが、そもそも読むことも深さが足りなかったことに気づきました。つまり英語力そのものが無いわけです。

    もちろん試験などをうけると読解のスコアが高くてスピーキングのスコアが低いということはよくありますが、あくまで試験での話ですし、実際は読む聴く書く話すというのはそれぞれに強い相互関係があります。なので結局、英語が出来る人になるためには、これらの四技能全てができて当然なのです。

    こういった自分の未熟さを痛感することがあっても、行方先生の言葉はとても紳士的で優しく、多くの英語学習者を励ましてくれます。英語が読める人がどのように英文を読んでいるかを知ることも出来てとても参考になりますし、読みやすい本なので試験対策や反復練習に疲れた学習者の一服の清涼剤となってくれます。

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    英語は昨今非常に重要視されていて、その重要性から参考書も多く、数多くの素晴らしい教育者がいますがその中でも私が一番尊敬しているのが伊藤 和夫さんです。

    その伊藤さんの本はほとんど購入しましたが、その中でも特にお勧めな本の一つがこの本です。

    この本の一番の長所はその解説の事細かさです。難易度が高い文章が多いので、初めて読んだ時はほとんど理解できないかもしれません。それでも伊藤さんの解説を読み、まじめに勉強すれば、誰でも理解できるように書かれています。

    例えば等位接続詞のクセのある使い方ゆえに、どこと繋がっているか分かりづらい文章の構造を見極めるコツが身につきます。

    「ポレポレ」のところで受験用の長文読解の参考書はTOEICやTOEFL,IELTSではあまり役に立たないと書きましたが、この伊藤さんの本は非常に多くの例とそれぞれの解説が掲載されていて、これらの試験にも役立つ内容が多いです。クジラ構文のような受験でしかお目にかからない文章には意識を割く必要はないのですが、分かりづらい等位接続詞やどこにかかっているか分かりづらい関係代名詞などはどんな場面でも出くわすので有益です。

    とはいっても、この本の例文全てを完璧に理解する必要は、上記の試験においては、無いので三回ほど通して読めばこれらの試験には十分でしょう。例文がとにかく複雑なので、複雑な文がでないこれらのテストの対策をしたいのなら、この本の例文の複雑さについていく必要はありません。あくまで長文を読むコツを実につけるためのものです。

    それと最後のあとがきが秀逸で、独学で英語を学習していた私にとってはとても励みになりました。教育者として学習者の為を思っていることが伝わる名文です。このあとがきに倣って何度もこの本を読み返し、今では人に見せられないくらいにボロボロのクチャクチャです。

    英語教育に人生を捧げた伊藤さんの魂の一冊です。参考書の素晴らしさや教育の重要性を教えてくれた本で、このブログを始めたきっかけでもあります。

    すでに述べたように、この本で扱われるような難解な文章はTOEIC,TOEFL,IELTSなどではでてきませんし、大学受験でこういった文章を読まなければいけないのは本当にトップ校くらいです。一般的な長文読解の対策であれば、同じく伊藤さんのビジュアル英文解釈もお勧めです。

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    長文読解対策の第一歩としてお勧めの一冊です。

    重要なことですが、大学受験用の長文読解対策本はTOEIC,TOEFL,IELTSなどの試験ではあまり役に立ちません。理由は単純で、大学受験に出てくるような文章が英語圏で作られた試験には出ないからです。
    日本の大学受験ではあえて読みづらくした構文や、分かりづらい構文が頻出しますが、上記の試験では速く大量に読む事が求められるので文章の種類が異なります。

    単語は覚えていて、文法も理解しているので一文一文はわかる、しかし受験の長文読解はわからないという人の対策としてお勧めの一冊です。

    さまざまな分かりづらい長文問題を解説付きで説明していて、簡潔にまとまっているので志望校によってはこの本で十分です。

    日本語訳が、ニュアンス的に日本語に訳しづらいものが多いので、なぜそういった訳になっているか分からないこともあるかと思います。この本はそういった難しい英語にも果敢に挑戦していてるわけですが、そういった訳が分からない場合は意訳でこうなっているのだなと捉えて、あまり深く文法的な問題かどうかなど考える必要はありません。

    さらに長文読解を勉強したい、この本では足りない、という場合も有り得るので、そういった場合は他の参考書も購入すると良いでしょう。

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