言語学者が選ぶ最強の語学書集(+語学学習法とか研究とか統計とか)

これまで数百冊の語学参考書を買ってきたので、特にお勧めできるものを言語学者の観点からご紹介。 語学書を活用する為の効率的な学習法や言語学の話題も。

    TOEIC

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    TOEICはアメリカで作られている英語のテストなので、アメリカ人が作った参考書はアジアで作られたものより優れているだろう・・・という考えをもつ方も多いかもしれませんが、実際は良著がほとんどありません。

    公式の問題集をアメリカのアマゾンで探しても日本語や中国語のオフィシャル本くらいしかでてきません。問題集で一番大切なのは、実際の試験に近いレベル、構成であることなので、公式が一番よいのですが、アメリカで作られた試験であるにも関わらず、英語版の公式問題集がありません。

    洋書でTOEICに関するものはそれでも一定数出版されていて、さまざまなものがあるのですが、品質がアジアのものより劣ることが多いです。実際の問題より簡単だったり、そもそもTOEICに関係ないような話題が多く書かれていたり。日本語で書かれたTOEIC本でもそういったものが少なくないので注意が必要です。

    そこでこのBarron'sのSuperpackが目立ちます。このパックに含まれる3冊の本は他の洋書のTOEIC対策本よりもはるかに優れています。

    実際のTOEICの問題と同じ難易度かどうかというと、少し簡単といえるかもしれませんが、他の面ではとても良い問題集です。まずはコストパフォーマンスが良く、値段のわりに分厚く余計な情報がほとんどないので、黙々と大量の問題をこなせます。

    TOEICで重要なのは大量の良質の問題の繰り返し、特に出来なかった問題のみを重点的に繰り返していくことなのですが、その大量の問題というのがなかなか見つかりません。公式の問題集も古いものは今のものといろいろ異なるので、今現在は特に困ります。逆にこのパックには大量の問題があるので、「自分にとって難しくて答えられなかった問題を何度も大量に繰り返す」という勉強法を実行しやすくなります。

    Barron's TOEICは600ページ近くありますし、Barron's TOEIC Practice Exams は400ページ、Barron's Essential Words for the TOEICも約400ページです。

    Barron's Essential Words for the TOEICは名前だけ見ると単語集のようですが、問題集です。単語に関するキーとなる情報が挿入されていますが、リスニングも含めかなりの数の問題が収録されています。むしろBaroon's GREに収録されているような、頻出単語リストのようなものが無いので、単語集としてはあまりよくありません。

    公式の問題集、特にそのリスニング問題、文法問題の参考書「新TOEICテスト 文法問題 でる1000問」そしてこのBarron's TOEIC Superpackの問題をどんどんこなして繰り返せば900点超えを狙えます。リスニング問題をお勧めしているのは、リスニング対策をすれば自動的にリーディング対策になる一方で、リーディング対策をやってばかりいてもリスニング対策にならないからです。膨大な問題を繰り返すのは時間がかかりますし、常に時間効率は考えたほうがいいので、実際の試験の結果に応じて、リーディングの点数が明らかに低いということがなければ、リスニングに重点をおいてこれらの問題を繰り返していけば良い点数がとれます。

    洋書ですし、大学受験の参考書をきちんとこなしてから購入することをお勧めします。Duo3.0やドラゴンイングリッシュ、新・基本英文700選などを読んで大学受験レベルの単語と構文を理解してから挑戦してみてください。

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    この2015年12月以降TOEICの試験が改訂され、内容が一新されるとの事で話題になっていますね。簡単に内容をまとめてしまうと、実力をきちんと測れる試験にして、旧版と点数評価が変わらないとのことです。

    今回の変化はTOEFL CBTからiBTにかけての変化と比べると極々わずかなので、対策自体もそう変わりません。TOEFLもTOEICと同じくETSが作っていますが、TOEFL CBTがiBTになった時は日本人が苦手なスピーキングが必須になり、リスニングの際の音声のパッセージの長さが倍加したり、リーディングが単純な4択だけではなく複数選択する問題が追加されたり、要約問題が追加されたり、まったく別の試験になりました。

    気になるのは旧版のTOEIC参考書や問題集が使えるのかどうかということですが、小手先の対策、裏技、なんてものを扱う本や、特に情報教材は役に立たなくなるでしょうが、その他の本は十分使えるでしょう。

    上記のようにTOEFL CBTからiBTの変化はとても大きかったのですが、TOEFL CBTのリーディングとリスニングの問題集をTOEFLiBTの教材として使うこともできましたし、新TOEICの変化、リスニングパッセージの話者の数が増えたりといったことは本質的な変化とは言えません。今後も旧TOEICの参考書や問題集は使っていけるでしょう。もちろん優先順位としては、新TOEICに対応した良著のほうが、旧TOEICの良著よりも高いですが、下手な新TOEIC問題集よりは、旧TOEICの名著をどんどんこなすと良いでしょう。

    試験対策で重要なのはとにかく量をたくさんこなすことなので、旧版の問題集と新版の問題集でどんどん繰り返し問題を解きましょう。

    今回の変化の少なさは、それだけTOEICの受験者が他のETSの試験と比べて多いこと、そして試験構成に対する反対意見が少ないことを示していると思います。TOEFLに関してはアメリカの大学側から「高得点とった学生でも英語で全然文章書けなくて駄目だ!」というクレームが多かったらしく、ライティング試験が追加され、さらにその後、同様の理由でスピーキングが追加されました。対策していた人間からしたらたまったものではありませんが、TOEFLはどんなに嫌でも留学には必須なので受験するしかありません。GREも同様の大幅改訂で、私はもともと単語対策をしていて、語彙問題が大幅に削除され見事に召されたのですが、TOEICではこういったリスクのある改変はしないでしょう。

    TOEICに関しては受験者が多く利益になり(非営利団体が作っていますが!!!!!!!!!!!)英語能力を測る他の試験に受験者が移る可能性が高いので、そう簡単には大きな、ETSにとってリスクのある変更はできないはずです。

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    公式の問題集に次いで、最もTOEICで重要な参考書だと言えるでしょう。

    この本の良さはまず、問題数が約1000問もあるところです。どんな試験にしろ対策として重要なのは、量をこなすことです。量をこなしていけば、見た事が無いような文法問題でも、推測で正解を導けるようになります。一冊でこれだけの問題数を収録している問題集は、私が知る限りありませんし、この問題集を一通り全てやり、間違えた箇所を再度解いて、さらにまた間違えたところを解く、というサイクルを繰り返せば自然と文法問題で困ることはなくなるはずです。これに加えて公式の問題集もやれば十分です。

    この本の素晴らしいところは、効率的な勉強法の穴を綺麗にふさいでくれることです。効率的なTOEIC対策は、ひたすらリスニングの音声をシャドーイングすることです。リスニングの内容は、リーディングで使われる表現や語彙とほとんど同じなのでリスニングの音声を大量に聞き続けてシャドーイングすることで、リーディングの読解問題もすらすらと読めるようになります。リーディング対策をしていてもリスニング力はあまり上がらないので、とにかくリスニング対策をすることが近道です。

    しかしリスニング対策だけでは、文法問題に対応しきれません。かなりの単語やそれに伴われる前置詞などもシャドーイングで自動的に覚えてしまうのですが、それでも少し穴が残ります。その穴をこの本で埋めることで完璧な対策に近づきます。

    この本は三種の神器の一つで、他に公式問題集と、公式のリスニング問題集をこなしていくだけで満点近くを狙えるはずです。しかしリスニングはできる限り大量に聴きまくるしかないので、他にも問題集などを購入したほうが良いでしょう。

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    リスニング対策が必要な人だけではなく、全ての受験者に必須とも言える内容です。

    私個人の効率的学習法というのは読解対策をしないというものです。これはあらゆる試験で共通している学習法です。

    仕組みは単純で、リスニングの対策をしていたら読めるようになるからです。それに読解スピードも上がります。逆にリーディングの対策をしていても聴けるようにはなりません。

    ただしTOEICのリーディングの場合は空白穴埋め問題の文法問題に慣れが必要で、リスニング対策だけで出来るようにはならないのできちんと対策が必要です。それでもリスニングをきちんとやっておけば読解問題の対策の時間が浮きます。

    公式の問題集でETSの本だというのも重要で、実際に試験に出る可能がある単語、構文、表現のみです。問題集作成は非常に難しく、どれだけ努力しても公式と比べると1ランク下がってしまい、朗読のスピード、使う単語、などなど色々な箇所に小さな違いがあります。出ない単語を覚えても、英語力はあがるとしても、試験対策としてはベストととは言えません。効率重視で試験対策をしなければ、特に働いたり他の勉強をしている場合、スコアがなかなか上がりません。

    それとCDが3枚もあるのが特に良いですね。試験対策で重要なのは、知らない単語、知らない表現が出てこなくなるまで大量に聴き、そしてそれを繰り返すことです。このCD3枚と、他に5~7枚程度良い問題集から集めてすべてを何度もシャドーイングすれば、どんどんスコアはあがるでしょう。


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    TOEIC試験の対策でまず最初に買うべきなのはこの本です。

    TOEICの試験を作成しているETSは語学試験を作る団体の中で最も大きく、資金と人材ともに豊富ですし、受験者の数も多いので膨大なデータをもっています。これら全てを活かして良いテストをつくる努力をしています。ETSが作る試験が広く受け入れられているのも、こういった恵まれた環境で、質の良い試験を製作しているからでしょう。

    良い試験の基準は色々ありますが、ここでは運によって点数が左右されない、実力がきちんと反映される試験を意味しています。問題が簡単な時と難しい時の差があれば試験として大きな欠陥をはらんでいるということになります。そういった問題を起こさないように、ETSはTOEICの一回の試験全体の難易度を均一にするために最大限の注意を払っています。

    そういった難易度の安定を実現する為に、事細かに色々なことをルール化して、そのルールに則ってETSでは試験を作成しています。他にはない膨大なデータや労力をかけてルールを作成するので、そこには確固としたゆるぎなさがあります。ゆるぎないルールがあるということは、対策して無意識であってもそのルールに触れていれば、対策が絶対ムダにならないということです。そういった意味でそのルールに触れられる公式問題集は必須です。

    実際の試験問題に似ている参考書ほど良い参考書なのですが、直接目に見えないそういったルールを把握して、似た試験問題を作るというのは難しいので、公式参考書はどんな試験においても一番優れています。公式の問題集だけでは問題数が不十分なので追加で他の、実際の試験問題に近い内容の本を、買う必要もあります。

    他の問題集を買うより古い公式問題集のほうが良いと思われるかもしれませんが、古いものは傾向が異なるのでお勧めできません。ETSは試験の難易度などを均一に保つように努力していますが、その一方で改善できることは改善して変えようとする団体でもあります。そのため大きく試験の形式が変わる事が、頻繁ではありませんが、あるので、公式問題集は新しいものを買うべきです。ここに掲載されている< Vol.4,5,6>は今のところ古すぎずきちんと対策として役立ちます。






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    TOEICは単語が少し独特で、TOEFLやIELTSなどとも出てくる単語の層がずれていますし、大学受験の単語でも不十分です。そこで単語対策にはTOEIC用の単語帳が必要なのですが、そこで一番お勧めなのがこの本です。

    この本の長所は、覚えた単語全てが試験に実際にでるものばかり、ということです。大学受験用の単語帳には、そうそうお目にかからないような単語もあり、ある意味では試験対策として無駄な労力になりかねないものが少し混じっています。しかしこの本に掲載されている単語は全て試験に出る可能性があるものばかりです。

    この本が素晴らしいからこのように頻出語のみを掲載できる、とも言えますが他にもTOEICがETSに作られている試験だからこのような事が可能とも考えられます。

    ETSは全ての言語を通して、語学試験を作る団体で最も規模が大きく、莫大な資金と多くの優秀な人員を抱えています。この団体の特徴は実力を測る事ができる試験になるように常に試験を変えていくことがまず一つ。そして、変化しつつも、決して問題の難易度や品質を変えず、点数の価値を変えない努力をしている団体でもあります。

    TOEICでも彼らが実力を計測する為に改善すべきと思った事柄に関しては少しであっても修正したり方向転換しますが、そのように変化させても例えばTOEIC900点の価値は変わらないようにしています。

    こういったことを可能にするために、問題の文章や選択肢の難易度ランクを詳細に決定して、そのランクがバランスよくばらけさせて、彼らがもつ莫大な過去の受験者データをもとに、試験を作成しています。これに加えて様々な採点法の工夫のおかげで何度受けても点数が運に左右されませんが、逆に規模が小さい団体の作る語学試験は、問題の質や難易度がばらけるので、受けるたびに点数が変わりやすいです。

    こういったバランス維持の一貫として語彙もリスト化ランク化され、そこから難易度などを考慮しつつ、様々な文章にちりばめています。

    つまりETSが使う単語のリストがほぼ決まっているので、公式試験の大量なデータがあれば出る単語のみの単語帳が出来上がるということです。

    それでもきちんと出る単語のみを抽出するには相当な量の公式のデータが必要ですし、統計的な処理も難しいものです。そういった意味でこの本はそれらの難題をきちんとやりとげていて、信頼できる本です。

    この本は高得点を狙う人向けで、単語の基礎力が足りない、という場合は大学受験用のDuo 3.0単語王もこの本と同時にこなせば綺麗にTOEICに出る単語を全てカバーできます。



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    TOEICで何度も満点を達成しているモンスター菊池健彦さんの英語学習用自己啓発本です。

    ひたすら引きこもって英語だけやっていた菊池健彦さん、というこの売り出し方は賛否両論あるでしょうが、膨大な時間をかけなければ語学力は上がらないという真理を映し出しています。

    英語が出来る人は人間的に魅力的で面白い方々が多く、京大の青谷正妥先生や今井宏さん、杉村太郎さん、などこれまでこのブログで取り上げた方々だけでもとても興味深い人たちばかりです。

    共通しているのは皆ひたすら努力した、ということです。この『イングリッシュ・モンスターの最強英語術 』で語られる菊池さんの努力を同じレベルで出来る人は限られるでしょうし、出来る人だけが同様の結果を残せるのだと思います。とにかく努力、その姿勢と言葉に触れると自己啓発本を読んだかのようにやる気が出てくるでしょう。

    ダイエット関連の本と同じで「楽して出来る」などと謳っている語学書を買って成果がでることは絶対にありえません。甘言でお金を得ようとするスタイルとは真逆の本ですが、そのぶん文章は全て本気です。

    語学力の向上は結局、愚直に単純な勉強をひたすらこなすしかありません。そういった努力を自分の仕事や家庭とバランスをとりながら続けていくのは精神的にも肉体的にも非常につらいですが、苦境のなかでこの本に触れたら菊池さんの言葉や行動に励まされることでしょう。




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