例えばフランス文学やフランス語専攻で難関大学の大学院を受験する場合、その問題レベル、もしくは合格レベルは仏検二級から準一級の間くらいです。ドイツ語なら独検二級から準一級の間程度です。

東大、京大、一橋、早稲田、慶應、上智などの過去問を、オークションなども駆使して出来る限り多く入手して、色々な外国語の試験を見てみましたが大体この範囲の難易度に収まります。独検や仏検などの語学試験の二級は受かる程度で、難しい大学を受ける場合は準一級受かるかなくらいのレベルまで上げれば合格の可能性がだいぶ高いでしょう。東大は本郷と駒場で傾向が全く異なり、ここで書いているのは駒場にあたります。本郷のほうは本当に難しい、文学や哲学思想で読まなければいけないような原文がそのままでてきてそのまま訳します。

文学専攻などであれば、文学に関連する文章を和訳することになるので、その場合は文学に関する知識が必要な場合もあります。あまり文学的な知識がなくても問題ない場合もあるので、過去問を参考にすると良いでしょう。

英語だけは例外で、英文学専攻や英語専攻だと二級程度ではもちろん駄目ですし、かなり難易度の高い英語のテストが入試には含まれています。英語以外の語学に関しては大学に入学してから始めるので、実質4年しか勉強しないことが多くなりますが、英語に関しては中学高校を加えて10年学んでいる状態で受験するので難しくなります。

英語英文学専攻以外のすべての専攻でも英語試験を受けることになるのですが、英語もそれなりに難しいです。大学受験より上のレベルの語彙が出るので、TOEFLの単語帳を覚えましょう。見事にTOEFLと語彙がかぶります。構文はそこまで複雑ではありません。大学院の入試問題を作成する人も何かを参考にしながら作るので、語彙のチョイスに関してはTOEFLを参照しているのが明白です。英語専攻も英語以外の外国語を専攻する場合も、入試の英語の語彙レベルはTOEFLレベルです。英検一級の語彙問題はGREと呼ばれる試験を参考に作られていますが、英検一級やGREの語彙問題と同様の語彙はまず大学院入試ではでません。大学院の入試会場で英検一級の語彙問題の問題集をもってきている人がいますが、残念ながら頼りになりません、でるのはTOEFLの語彙です。ただし私が購入した過去問は2000年から2010年あたりのものなので、最新のものはまた異なるかもしれません。傾向がもしかしたら変わっているかもしれないので、各自調べてみる必要があるでしょう。

大学院で希望している専攻が英語や英文学以外の場合難しいのが、英語試験対策にかける時間をどれくらいにするかということです。ほとんどの大学で、合否の決定の際に英語がどれくらい重視されるのか明かされていないので困るでしょう。過去の合格者の話が聞ける内部生がこういった意味で有利になってしまうのですが、英語は昨今では何をするにしても、ドイツ哲学をやるにしても、避けられないものなので、あきらめて英語もしっかりやっておくのが一番かもしれません。

最後に、大学院受験は、ものにもよりますが、英検などの試験のように、読む、書く、聞く、話すから構成される事が少なくありません。しかもその事が受験要綱に書いてありません。

どういうことかと言うと、入試の面接試験で外国語での質疑応答があるのことがあります。ロシア文学であれば、ロシア語話者がロシア語で面接してくるので、それにロシア語で答える事が求められます。面接なんてたいていありきたりのことで、入学後どういう勉強をしたいのか、なぜこの学校を選んだか、なぜそのトピックに興味があるのか、といったことなので、あらかじめ準備しておけばなんとかなります。

なんともトリッキーで、詳しい配点も明かされていないので色々な意味で難しいのが大学院試験です。大学院とは本来は学習の最終課程なので、そう簡単には受からせないという姿勢も当然なのかもしれません。学外者だから不利ということは正直色々あると思うのですが、合格基準の噂のようなものが学外にはもれないのも要因の一つだと思います。